みかんの収穫は“いのち崖”!?

お品書き

みかんの収穫バイト、本日より本格的に始まりました!

みかん山に集合して早朝から収穫となりました。

本日の収穫ロースター(選手登録)はこちら。

【農家さん、私、ベテランのおじさん、🆕青年、🆕若い女性、🆕足が痛いおじさん、🆕クマが怖いマダム】

早々から不安が過る。

まずマダム。最近クマの被害のニュースが多いので恐ろしく、クマ避けのベルを持参し農家さんにも付けることをお願いしてきた様子。農家さんのみかんの籠からカランカランとベルが鳴っていた。

クマは本当に恐ろしいよね。

だがしかし、私達の住んでいる地域にはクマはいないのです。

数十年この土地で暮らしてきて一度もクマの目撃情報もなく、また近隣の市内もクマは出没していない。心配になったのか私にも「クマは出ないですか?」と聞いてきたマダム。そもそもクマが出るかも考えているならなぜみかん山に…と思いつつも、私も「大丈夫ですよ」と彼女を安心させるところからスタートした。

そして足が痛いおじさん。

何があったんだ…足を引きずっている。どうやらここへ来る途中で足を怪我したらしい。終始痛そうにしているので心配で、名前を覚えるより「足が痛いおじさん」という情報が脳にインプットされてしまった。

そんな中、みかんの収穫がスタートした🍊

籠を肩に斜めに掛け、はさみでパチパチと切り取っていく。取り方は「二度切り」と言って、一度枝からみかんを切って外し、その後ヘタの付近でもう一度しっかり切る方法を取る。その方が枝とみかんのつなぎ目を綺麗に取り除くことが出来るのだ。二度切り…何だか必殺技みたいな響きで格好良いね。

10月半ばだというのに気温は27~28℃。ツクツクボウシが鳴いていました。

みかんの木は男性より背が高く、また葉に隠れながら木のてっぺんから足元までみかんが成っている。そのため葉をガサガサかき分けて探したり、しゃがんで下アングルから探さなくてはならない。意外にも全身運動になる作業だ。

木にはジョロウグモが住み着いてみかんの木に巣を張り巡らせている。“那谷蜘蛛山”状態だ。私は虫が大嫌いだったが、みかんの収穫2年目ともなれば不思議と鍛えられ「嫌だけど大丈夫」「嫌だけど!」レベルになりました。大嫌いでも人って成長するもんだ。

私は手頃な木の棒を手に取り、小学生男子並みに振り回してクモの巣を取り払いながら進んだ。この木の棒が重要な冒険のアイテムなのだ。

今日収穫するのは「ゆら」と呼ばれる品種で早生品種の一つ。皮が薄く実がぎっしり詰まっており、酸味が少なく味が濃い。いわゆる「めっちゃ美味しいみかん」です。人気の品種とのことなので「絶対取り逃さないマン」になった私は目をギラつかせてみかんを探しました。

日当たりの良い場所のみかんは綺麗なオレンジ色なのでいかにも「βカロテン満タンでっせ!」と言っているよう。太陽の光を浴びた美しいオレンジ色。そして「みかん=金、農家さんの収入源、あのオレンジは金の色…」と思いながら収穫していました。

途中、虫にやられて腐っているものやイノシシやシカに食べられているものも何度も見つけながら、はさみで傷をつけないよう集中して収穫していった。

数人で木を取り囲んで採っていると足が痛いおじさんがよろけている。本当に大丈夫だろうか?みかんの木は斜面に生えている。おじさん、斜面の崖側を張り切って取りに行かないでくれ。危ないから。私が採るから!

若い女性が崖側のみかんを採る際「これ怖いですね」と言っているとベテランのおじさんが「俺がやるよ」と声を掛けてくれた。ありがたい。女性が「もし落ちたら助けてください」と言うと「助けない!…なーんてね、大丈夫。すぐに助けに行ってあげるからね♡」とベテランのおじさん。「コラッ!おぢを出すんじゃない!」と心の中でツッコミながら私はみかんをポイポイ籠に入れた。

しかしこの崖、高さが3、4mある。みかんの段々畑なので全てのみかんの木は崖に植わっている。しかも崖側にもみかんが成っており、また日の光に当たりやすいので良いみかんがつきやすいのだ。足場が限界ギリギリの中、みかんが入った重さ1kg~3kgの籠を肩に掛け、立ったりしゃがんだりしながら採るのは至難の業なのだ。

すると突然、ドサドサドサーッ!という音がした。ビックリして振り向くと崖側にいた青年が倒れている。「大丈夫!?」と何度も声を掛ける農家さん。どうやら崖側で収穫に夢中になるあまり、崖で足を踏み外してしまったらしい。私もかなり心配したが、幸い受け身を取ったこととドシン!と落下したのではなく、足元からズルズル滑り落ちたので青年にケガはなかった。ドサドサドサー!は籠に入っていたみかんが地面に放り出された時の音でした。緊急事態かと思って自分も冷や汗が出たよ。

皆さん、美味しいみかんの裏にはこんな苦労があるのですよ。青年が元の場所に戻ってきたが、きっとさっきの続きは怖くてやりたくないだろう。そう思って私が彼の続きをやりました。枝が生い茂っているのでハイハイしてくぐって崖に辿り着きました。

こうして一日掛かりの収穫は終わりました。ずっと身体を動かしているので暑くて仕方がなかった。堪らず私は摘果の時に貸してもらった空調服を一日中身につけていました。一人だけ課金装備の勇者状態。みんなは持っていないのでちょっと気まずくて「ちょっとね…貸してもらってるんです」とだけ話した。

明日も途中から残りを収穫するとのこと。またメンツは変わるらしいです。明日も頑張って収穫します。まずは一日中身体を動かしたのでごはんが凄く美味しく感じました。

これから暫くは売り物にならないみかん(自分が落としてしまった、はさみ傷をつけた、穴開きみかん)が私のおやつになります🍊

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