私の初代「おもしれー女」

お品書き

今日は私の親戚の話。
私の家系はみんな変人でキャラが濃いが、その中でも特に私の記憶に残っている人を紹介する。
親戚の叔母さんである。


叔母さんはかなり陽気でハイカラで行動力がある女性である。
ある日、とある親戚の家を訪ねた時「そこ(私)が近くに来ている」ことを知った叔母が急に会いに来ると電話で言い出したのだ。
私は当時小学校3,4年。叔母にはあまり会ったことがなかった。
あまり叔母と会話をしたことが無かった私。
人見知りの私は緊張した面持ちで家族と外で待っていた。

車から派手な柄のワンピース姿の女性が降りてきた。叔母である。
私を見て一直線に向かっている。
挨拶しなければと思い、蚊の鳴く声で私は言った。
「あ…あの…おばちゃん、こんにち…」
言い終わる間もなく、叔母は私目掛けてパンプスの足で猛ダッシュしてきた。

タタタタタタタタ……

「タァァァァーーーーッ!!!」

ドスーン!

突然私の天地が引っくり返った。
叔母が私に大外刈りを仕掛けてきたのだ。
「???」
「はい、そこの負けーw」

全っっっく訳が分からない私は地面に引っくり返ったまま呆然としていた。
「え??なに???」「私なんかした?」「どういうことなの??」
私は視界が上下反転したまま見ると、叔母は家族に話し掛けていた。
「そこが来てるって言うからね、顔を見に来たのよ」
「みんな元気そうね」
「せっかくならシュークリームでも作って持って来れば良かったわ」
「あたしったら気が利かない」
「次回から持って来るわね」

叔母さんは私に目もくれず、ずっと話している。(声もデカい)
彼女の趣味はお菓子作りなのだ。
「もう少しいる?」と家族が尋ねると
「そこの顔見たから満足した」「帰るわ」と叔母。
その間、約3分である。意味が分からない。
帰り際、叔母さんが「そこ、次は簡単に倒されちゃダメよ」「強くなりなさい」「じゃあね~👋」と言って帰っていった。
最後まで地面に引っくり返って硬直していた私。
なぜ柔道の技を掛けたのか?何を期待して私に鍛えさせようとしていたのか?
マジでなんだったんだ叔母さん…。

「叔母さんこういう人なの」「気にしないでね」と親戚一同。
いや、気にしないのレベルちゃうやろ!と思いつつ、彼女の言動が全く分からない私だった。
悪い人ではないし、愛情深い人なのは知っている。
(親戚の結婚式で小1だった私がぐずっているのを彼女が終始慰めてくれたことがあったから)
ただ、エキセントリックなのだ。

嵐の様にやって来て、嵐の様に去って行った彼女。
まさに、私の中の初代「おもしれー女」なのだ。

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